クレマチスはキンポウゲ科、センニンソウ属(Clematis)をさし、つる性ないしは株立性の植物群です。 温帯地域を中心に約300種が、日本ではカザグルマ、ハンショウヅル、センニンソウなど23種8変種が 知られています。紫、青、赤、白色など色鮮やかな花を持つ園芸品種は、日本のカザグルマ(早咲〜中間咲)、 中国のクレマチス・ラヌギノーサ、テッセン(以上中間咲)、ヨーロッパのクレマチス・ウィティケラ, クレマチス・インテグリフォリア及びアメリカのクレマチス・テクセンシス(以上遅咲)などを 交配親として作り出されたものです。これらは総称してクレマチスまたはテッセンの名で茶花として古く から愛されています。筑波実験植物園は、野生種と代表的園芸品種約1000株以上を保存し、 特に大輪系園芸品種の改良に貢献した日本が誇るカザグルマとその園芸品種の系統保存に力を入れています。
セミナーでは2500品種以上ある園芸品種の概要を歴史的に解説し、なぜ多様な品種群を生むことが できたかDNAの系統解析から考察し、赤・青・黄色の花色が新物質であった研究成果について紹介します。