富士山展

展示内容
概要
富士山は、日本列島の数多い活火山の中でもずば抜けて巨大な山体をもち、その秀麗な姿は静岡のみならず、日本国内でも最も代表的で美しい自然景観のひとつです。
静岡大学のロゴマークをはじめとして、シンボル化された図案の数々は、一目で静岡であること、日本であることを表しています。
富士山は、西暦1707年(宝永4年)の活動を最後に300余年の静穏期を続けていますが、地下では確かな活動のしるしもあります。この様にさまざまな顔を持つ富士山の、自然史研究の歴史と現在、富士山と人々の関わり、火山防災の取り組みを紹介します。
また、今年3月、レーザー新技術による赤色立体地図が完成しました。樹木などをはぎ取った火山活動による地表を再現、会場の床に敷き詰めた富士火山の噴火活動直後の生々しい姿を展示します。
赤色立体地図
赤色立体地図と航空写真の比較
A西暦864年貞観の噴火の長尾山周辺
A西暦864年貞観の噴火の長尾山周辺
 
B富士スバルライン桟敷山周辺
B富士スバルライン桟敷山周辺
 
資料提供:国土交通省富士砂防事務所、山梨県、協力:アジア航測(株)
展示構成
1.富士山の生い立ち
富士山はいつから日本一大きく高くなったのだろうか?富士山は、小御岳、古富士、新富士と数万年前に遡る、噴出物の性質の異なる3つの火山が知られ、最近、さらに古い火山である先小御岳火山が埋もれていることがわかりました。
富士山の最新の南北断面概念図(東京大学地震研究所の図を簡略化)
富士山の最新の南北断面概念図(東京大学地震研究所の図を簡略化)
2.富士山を人々はどう見てきたか
富士山は日本の象徴。このすばらしい景観は、絵に、歌に、物語に登場します。いつもの富士山は人々に恵みをもたらし、時に噴火という本性を現し、降る雪を火をもって溶かしました。人々が見てきた富士の姿を紹介します。
3.富士山が噴火したら
富士山周辺には、100万人近くの人が住み、神奈川、東京の多くの都会は富士山の火山灰の上に作られています。10年ほど前、マグマ活動と思われる微動をきっかけに作られた富士山防災マップ展示や噴火の疑似画像の動画もあります。
4.富士山の知らなかった生き物
富士山頂と南極をむすぶ謎を浮かばせる苔の発見。温暖化で富士山の凍った山頂の自然は危うくなっています。最たる富士山の恵み、豊富で清純でおいしい水にも微小な知られざる生き物がいることがわかってきました。
富士山湧水にすむ貝ミジンコ(貝形虫)の顕微鏡写真
富士山湧水にすむ貝ミジンコ(貝形虫)の顕微鏡写真