プロローグ ~顕微鏡事始め~

 顕微鏡は、1590年頃にオランダのヤンセン父子により発明されました。その後ロバート・フックやレーヴェンフックにより細胞や微生物が発見され、科学の新たな世界を切り拓きました。
日本では、紅毛談や紅毛雑話にみられる顕微鏡の記載が始まりとされ、その当時輸入された顕微鏡や、日本で作成された顕微鏡が現存しています。ここでは、光学顕微鏡の始まりを示す資料や江戸時代に日本で作られた顕微鏡について、日本館1階常設展の顕微鏡コーナーを一部変更して展示を行います。

戦後の技術革新の中で ~顕微鏡大国への道程~

 終戦後、多くの会社が顕微鏡の製造を開始しました。日本人の精密光学機器製造に関する適性と持ち前の勤勉さから、徐々にその性能向上が図られ、長い間世界をリードしてきたドイツ製顕微鏡に対し、機能・性能・サービスなどの面でトップを競い合うまでになりました。

 ここでは、そこに至るまでの代表的な機種を展示します。またコーナーの後半では、偏光・蛍光・位相差・微分干渉・双眼実体・教育用など様々な種類の顕微鏡の発展についても紹介します。

エム・カテラの登場と顕微鏡工業の創成 ~国産光学顕微鏡の産声~

 明治以降日本は、おもにドイツから顕微鏡を輸入していましたが、明治の終わりころから国内でも顕微鏡を作ろうとする人が出てきました。中でも、東京大正博覧会に出品されたエム・カテラは、その後量産化にも成功し、わが国の顕微鏡工業創成の礎として位置付けられます。

 ここでは、エム・カテラとその技術を継承し創業した顕微鏡製造各社の創業機種を展示するとともに、著名な研究者が使用した外国製顕微鏡も併せて紹介します。

エピローグ ~顕微鏡の未来を探る~

 最後に、最新の顕微鏡や最先端の研究開発を展示し、これからの顕微鏡の可能性を展望します。
顕微鏡の歴史と未来

開催概要

開催日 2015年3月3日(火)~4月19日(日)
開館時間 9:00~17:00まで
※入館は閉館の30分前まで
※毎週金曜日は20時まで延長開館
会場 国立科学博物館(東京・上野)
日本館1階中央ホール、企画展示室
入館料 一般・大学生:620円 (20名以上の団体は310円)
高校生以下・65歳以上:無料
主催 国立科学博物館、日本顕微鏡工業会
協賛

サクラファインテックジャパン株式会社

アクセス


独立行政法人国立科学博物館
所在地 東京都台東区上野公園 7-20
お問合せ ハローダイヤル  03-5777-8600

イベント

ワークショップ

ペットボトルで顕微鏡を作ろう (各回20~25分)
時間 ①10:00 ②10:30 ③11:00 ④11:30
受付方法 当日9:30より各回の参加予約を会場(講堂)入口付近で行います。受付は参加者ご本人に名前を書いていただきます。
※保険料として50円かかります。(当日集めます)
顕微鏡で身近なものを観察しよう(各回20~25分)
時間 ①13:30 ②14:00 ③14:30 ④15:00
受付方法 当日13:00より各回の参加予約を会場(講堂)入口付近で行います。受付は参加者ご本人に名前を書いていただきます。
※保険料として50円かかります。(当日集めます)
日程 3月22・28・29日(日・土・日)、4月4日(土)
会場 日本館2階講堂
対象 小・中学生、教員(1回につき12人)
受付 当日先着順

講演会

記念講演会 第一部 「北里柴三郎と顕微鏡」
日時 4月5日(日) 10:00~11:30
講師 檀原 宏文(北里大学名誉教授・北里柴三郎記念会会員)
記念講演会 第二部 「光学顕微鏡の歴史」
時間 4月5日(日) 13:30~14:50
講師 長野 主税(日本顕微鏡工業会事務局長)
記念講演会 第二部 「光学顕微鏡の未来」
時間 4月5日(日) 15:00~16:00
講師 河田 聡(大阪大学特別教授、応用物理学会会長)
会場 日本館2階講堂
募集定員 100名
締切 3月19日(木)17:00必着  受付終了

(申込み多数の場合には抽選とさせて頂きます。締切後、3月25日(水)頃までに、参加受付のお知らせをお送りします。抽選の場合にも、同じ時期までに抽選結果をお知らせします。)
※常設展示入館料が必要です。(一般・大学生620円、高校生以下・65歳以上は無料)