全国各地から国立科学博物館に送られてきた“我が家のまりも”を調査しました。その結果、5分類群ものまりもが見つかりました。それらについてイラストも交えその特徴を紹介します。
今回の調査では今まで日本で知られていた全てのまりもの仲間(5分類群)が、見つかりました。それらについて、イラストも交えてその特徴を紹介します。
今年2例目のモトスマリモが見つかり、各メディアで当館が水槽のまりもの情報提供を呼びかけたところ、46件もの情報が寄せられました。そのうち、26件の方に試料を送っていただき当館で検討を行った結果、まりもの5つのなかまの全てが家庭の水槽から見つかりました。今年初めまでは日本で2例しか情報がありませんでしたが、3ヶ月足らずのあいだに20例を超える出現例が集まりました。東京の湧水地帯に由来すると考えられるタテヤママリモが見つかるなど、新しい知見も多く含んでいます。
全国各地から送られてきたまりもの仲間
千葉県市原市の家庭用水槽
当館のまりもの調査は、山中湖村から1956年(昭和31年)、当時小学3年生だった亀田良成氏が山中湖から採集し、栽培したものを50年後に当館に持ち込んだことがまりも調査の始まりとなります。この経緯について絵本「富士山のまりも」(福音館書店)として出版されました。この事がきっかけとなり、2013年から当館と山中湖村教育委員会との間で山中湖の共同でのまりもの学術調査が始まりました。2022の甲府、2024の川崎、そして今回の水槽からのモトスマリモの発見に伴い、今では富士五湖全体の調査や、関東周辺での河川調査も始めています。
ふたたび見つかった民家の水槽だけで発生するモトスマリモ(2024年3月27日)
日本では3種目のマリモ類の発見!モトスマリモと命名(2022年11月10日)
「山中湖のまりも(山中湖村フジマリモ生息調査報告書)」の出版 ~ふたたび退潮傾向が明らかになった山中湖のマリモ 地球温暖化が影響か?~(2021年3月31日)