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国際シンポジウム「サピエンスとネアンデルタールの邂逅:化石と文化遺物から探る人類進化」(2025年2月9日開催)

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趣旨

ホモ・サピエンスとは一体どういう存在なのか。それを明らかにするのに最も良い比較対象は、人類の系統で起きた最後の種分化の片割れであるネアンデルタール人であろう。ネアンデルタール人はユーラシア西部を中心に広く分布し、サピエンスとは数十万年にわたり同時代を生きていた。彼らは、およそ5万年前以降、ユーラシアにおいて分布域を拡大するサピエンスに置き換えられていき、やがて絶滅した。

近年の研究により後期更新世のレバント地域において両者の交雑が起きていたこと、さらにネアンデルタールからサピエンスへと一方向的に置き換えが進んでいったわけではなく、複雑な過程を経てサピエンスの拡散が進んだことがわかってきている。

研究が最もアクティブに行われているレバント地域や欧州で活躍する研究者を招聘し、人類化石の解析を中心とした自然人類学、文化遺物の解析を中心とした考古学の観点から、両集団の交雑・交流・交替の様相について討論する。さらに、氷河期の厳しい環境を生き抜いたサピエンスは、その後世界各地で文化的、文明的な発展を遂げていくことになるが、その身体的、文化的な基盤についても視野を広げて議論したい。

開催概要

日時 2025年2月9日(日)
13:00~17:35  ※12:30 受付開始
会場 国立科学博物館(東京・上野公園)
日本館2階講堂
対象者 どなたでもご参加いただけます
参加費 無料
※ただし、別途入館料が必要です。
入館料 一般・大学生630円(団体510円)(税込)
※常設展示入館料のみでご覧いただけます。
※団体は20名以上。
※高校生以下および65歳以上は無料。
申込締切日・定員 2月5日(水) 定員100名(先着順)
WEBからの事前申込みが必要。
お問い合せ 国際シンポジウム事務局
〒305-0005 茨城県つくば市天久保4-1-1
国立科学博物館 人類研究部内
TEL: 029-853-8901(代表)
Email: 202502IntConfJinrui@kahaku.go.jp

タイムスケジュール・プログラム(暫定)

13:00 – 13:05 開会挨拶・趣旨説明
森田 航(国立科学博物館 人類研究部)
13:05 – 13:35 篠田 謙一(国立科学博物館 館長)

講演テーマ:ゲノムから見た後期更新世の人類進化

13:35 – 14:20 Ismail Baykara氏(ガズィアンテップ大学 教授)

「Cultural Differences in the Late Middle Paleolithic and early Upper Paleolithic periods in the northern Levant(レバント北部における中期旧石器時代後葉と後期旧石器時代前葉の文化的差異)

14:20 – 15:05 Derya Silibolatlaz氏(ガズィアンテップ大学 准教授)

「Zooarchaeological Evaluation of the Late-Middle Paleolithic Period at Üçağızlı II Cave, Hatay, Türkiye(トルコ、ハタイ県、ウチュアズリII洞窟における中期旧石器時代後葉の動物考古学的評価)

15:05 – 15:15

休憩
15:15 – 16:00 Clément Zanolli氏(ボルドー大学・CNRS 研究者)

「Neanderthals, Denisovans, modern humans: Late Pleistocene human evolution in Eurasia(ネアンデルタール人、デニソワ人、現生人類: ユーラシア大陸における後期更新世の人類進化)

16:00 – 16:45 Renaud Joannes-Boyau氏(サザンクロス大学 教授)

「The First Humans of Southeast Asia’s Rainforests: Invention of Medicine and Art in the Pleistocene(東南アジア熱帯雨林の最初の人類:更新世における医学と芸術の発明)

16:45 – 17:00 休憩
17:00 – 17:30 パネル・ディスカッション

司会・ファシリテーター:森田 航、森本 直記氏(京都大学 准教授)

登壇者:門脇 誠二氏(名古屋大学 教授)、佐野 勝宏氏(東北大学 教授)
講演者から、篠田 館長、Baykara氏、Silibolatlaz氏、Zanolli氏、Joannes-Boyau氏

テーマ:各講演に対する質疑応答に加え、レバント地域や欧州におけるネアンデルタール人とサピエンスの交雑・交流・交替の様相や、ユーラシア東部における後期更新世の人類進化についても視野を広げて議論する。

17:30 – 17:35 閉会挨拶

※日本語・英語の逐次通訳を予定しています。

主催・後援

主催:国立科学博物館
後援:ICOM日本委員会

本シンポジウムは、創発的研究事業「人類最後の共通祖先からサピエンスへの進化史(代表者・森本 直記)」の協力を受けて開催いたします。