ナスカ文化の土器にはさまざまな武器を持った戦士の戦闘場面や、敵の首を刎ねる場面が多く描かれていますが、その目的については議論が分かれています。いずれにせよ戦闘で手に入れた敵の首級は儀式で使いました。そのさい、額に穴をあけて運搬用のロープを通し、上下の唇をトゲで刺し貫いて口が開かないようにとめました。土器の中には首級の口から作物が芽生えている絵もあり、死と再生が表裏一体のものであり、循環してゆくというナスカ人の思想が表されています。 |
口から作物が生えた首級
ペルー文化庁・ペルー国立
考古学人類学歴史学博物館
撮影 義井豊 |