国立科学博物館 研究部の組織改編について

2025年3月24日

急激に変化する時代にあって、物事の不確実性が高く、将来の予想が困難な「VUCA(Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity)」の時代を迎えようとする中、国立科学博物館もまた、令和8年度から新たな中期目標・中期計画期間に入り、令和9年には150周年を迎えるなど、新たな時代に突入しようとしています。

当館では、500万点を超える地球や生命の歴史と現在、科学技術の歴史に関する標本・資料等のコレクションの充実を図るため、「地球の宝を守れ」を合言葉にクラウドファンディングを行い、各世代にわたる5万人を超える方々から多くのご支援をいただきました。

こうした国民の皆様のご期待に応え、貴重なナショナル・コレクションを後世に守り伝えていくことは当館の重要な使命と考えます。

この使命に応え、これからの困難な諸課題に対応するためには、持続可能な組織の運営と人材の確保が重要な要素となり、各研究部・センターの人員配置や年齢構成等のバランスの取れた組織体制の構築は欠かすことが出来ません。

このため、「科学を文化に」のスローガンのもと、地球の宝を守り続けるための持続可能性の確保を目的に、令和7年度に研究部の組織改編を行います。

これまで行ってきた研究活動そのものに変更はありませんが、異なるグループを1つの部に再編することで相乗効果を図り、より良い調査・研究、標本・資料の収集・保管・活用、展示・学習支援活動を通じて、当館に与えられた使命を引き続き果たしてまいります。

VUCAブーカ :Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった造語。

研究部の改編を行った際の組織図

国立科学博物館の研究部の組織改編の図です。動物研究部は3研究グループ(脊椎動物研究グループ、海生無脊椎動物研究グループ、陸生無脊椎動物研究グループ)が据え置かれます。植物研究部は3研究グループ(陸上植物研究グループ、菌類・藻類研究グループ、多様性解析・保全グループ)が据え置かれます。地学研究部は3研究グループのうち新設される生命史研究部に、生命進化史研究グループが進化古生物研究グループとして、環境変動史研究グループと共に移動します。さらに生命史研究部には、人類研究部の人類史研究グループが合流し、合わせて3研究グループになります。地学研究部の残りの1つである鉱物科学研究グループは、新設される理学研究部に移動し地学研究グループになります。同じく理学研究部に、理工学研究部の中から理化学グループが移動して、2グループ制となります。最後に、理工学研究部の2つの研究グループのうち、残りの科学技術史グループは、産業技術史資料情報センター内に新設される科学技術史グループに移行します。