アズマヤマアザミ

詳細情報

分類 ナンブアザミ節ヤマアザミ亜節
和名 アズマヤマアザミ
別名 ネバリアズマヤマアザミ
種名 Cirsium microspicatum
変種名
キャッチフレーズ 小さな頭花が穂状にびっしりつくアザミ
基準産地 静岡県・伊豆,湯ヶ島
記載 日本固有種.根生葉は花期に生存しない.茎は直立~斜上し,中部以上でよく分枝し,枝は鋭角的に伸びる.茎葉は楕円形~広倒卵形で鎌状に曲がり,長さ23-50 cm,羽状に深裂し,裂片は4−6対.花期は9月~11月.両全性.頭花は直立または斜上し,柄は無柄あるいはほとんど無柄で,複花序は穂状となる.総苞は狭筒形,直径は生時で6-10 mm,総苞片は11~12列で圧着する.中部・関東地方では腺体が退化して総苞は粘らないが,東北地方や北陸地方,近畿地方では中片と内片に楕円形の腺体がよく発達して,総苞は著しく粘る(ネバリアズマヤマアザミと呼ぶ).小花は長さ18-21 mm,狭筒部は広筒部より長い.痩果は灰褐色,長さ4 mm,冠毛は長さ14-16 mm.染色体数2n=2x=34.常緑樹林や夏緑樹林の林縁に生え,山麓部に多い.
分布 本州(東北地方南部から近畿地方の,主に太平洋側)
ノート 活力のある種のようで,分布域の各地に大群落が見られる.また,アズマヤマアザミは他の種と交雑しやすい.とくにサワアザミとは頻繁に交雑が起こり,両者の分布が接触するところではほぼ100 %交雑が起きる.交雑個体は,アズマヤマアザミ側では頭花が大型になり,サワアザミ側ではトゲや腺体をもつ個体が出現し,自然交雑の実際を理解しやすい.
 オハラメアザミは本種の変種とされてきたが,独立種として扱うのが正しい.北陸地方ではカガノアザミとオハラメアザミは同所的に生えることも多い.房総半島では本種とカズサヤマアザミの分布域が重なるが,両種が同所的に生えることはない.
撮影データ 宮 静岡県下田市2002.11.11
分布図

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