淡水浮遊性藍藻データベース

Freshwater Planktonic Blue-Green Algae Database

Aphanizomenon gracile (Lemmerm.) Lemmerm. 1907

基 名 Aphanizomenon flos-aquae var. gracile Lemmerm. 1898
異 名 Aphanizomenon flos-aquae f. gracile (Lemmerm.) Elenkin 1938
産 地 茨城県霞ヶ浦、滋賀県琵琶湖
目 名ネンジュモ目
解 説 トリコームはまっすぐかやや曲がり、隔壁部でわずかだが明瞭にくびれ、両端に向かって徐々に細くなる、先端は丸く終わり尖ることはない、毛状になることもない。トリコームは単独で浮遊し、群体をつくらない、鞘や粘質をもたない。 細胞は短い円筒形ないし樽型、ガス胞をもつ、幅2.2-4.5µm、長さ2.3-7.9µm。先端細胞はやや細くなるが、他の細胞と同様にガス胞をもち透明にはならない、幅2.2-2.9µm、長さ2.4-5(-8)µm。 異質細胞は長球形、トリコームの中央部に1個あることが多い、幅4.1-4.8µm、長さ5-6.5µm。アキネートは長楕円形ないし長円筒形、異質細胞から1-5個隔てたところに1個または2個並んで生じる、異質細胞を挟んで対象的な位置に生じる場合がある、幅4.8-8.3µm、長さ13.4-17.9µm。 アキネートの先端にカップ型の透明な鞘が見られることが多い。(一番下の写真参照)
 本種は他のAphanizomenon属の種と異なり、群体を形成することはなく、トリコーム先端の細胞にもガス胞があり透明ではない、毛状になることもない。 さらに、16S rRNA遺伝子解析の結果からは、Aphanizomenon属と明らかに異なるグループに含まれることが分かっている。さらに、本種と同様に細胞にガス胞があり浮遊性で非群体性のDolichospermum属とも類似した形態を示すが、遺伝子解析結果から異なることが明らかになっている。 今後の研究の進展により学名が変わる可能性がある。
Aphanizomenon gracile Aphanizomenon gracile Aphanizomenon gracile Aphanizomenon gracile

アキネート先端に透明なカップ形の鞘がある