淡水浮遊性藍藻データベース

Freshwater Planktonic Blue-Green Algae Database

Dolichospermum hangangense H.J.Choi et M.-S.Han 2020

産 地 北海道大沼、茨城県霞ケ浦、東京都奥多摩湖、山梨県河口湖、千葉県印旛沼、滋賀県琵琶湖、兵庫県ニゴ池
目 名 ネンジュモ目
解 説  トリコームはまっすぐ、単独で浮遊する。細胞は球形ないし樽型、幅6.8-13.0µm、長さ3.3-13.8µm、長さ/幅0.5-1.25。異質細胞はほぼ球形、幅8.5-11.6µm、長さ6.3-10.0µm。 アキネートはほぼ円筒形ないし片端に向かって少し細くなる、両端は広円形ないし広円錐形、幅10.0-18.0µm、長さ21.7-50.0(-57.0)µm、長さ/幅(1.26-)1.63-4.17、異質細胞から離れている。geosminを産生するものが多い。
 本種は2018年に韓国の漢江(Han River またはHangan)から初めて報告され、形態観察および遺伝子解析(16S rRNAとrbcL遺伝子、ITS領域の立体構造)の結果から新種とされた(Choi et al. 2018、Li et al. 2020)。この発表を受けて、日本でこれまでDolichospermum planctonicumとされてきた培養株について再調査を行ったところ、その大半がD. hangangenseであることが判明した(Tuji et al. 2023)。 本種の未熟なアキネートはD. planctonicumと似ているが、成熟したアキネートはより細長く円筒形ないし長菱形で、先端は広円形かやや尖っており、長軸方向で非対称形となることがある。 また成熟したアキネートはトリコームから離脱しやすい。さらに、日本でこれまでDolichospermum circinaleとされていた螺旋形のトリコームをもつ培養株の遺伝子(16S rRNAとrbcL遺伝子)もDolichospermum hangangenseとほぼ一致した。 アキネートの形態もD. hangangenseに類似する。Dolichospermum circinaleについては不明な点も多く、研究継続中である(Dolichospermum circinaleの項を参照下さい)。
Dolichospermum hangangense Dolichospermum hangangense Dolichospermum hangangense Dolichospermum hangangense Dolichospermum hangangense Dolichospermum hangangense