ダム湖の植物プランクトン

ダム湖の植物プランクトン

簡易同定チェックリスト

国立科学博物館 植物研究部 | 辻彰洋・新山優子

参考文献・引用文献

このHPの作成にあたっては、できる限りこのHPのなかで同定ができるように努力しました。しかし、用語がわからない、またカバーできていない種があるといった問題が生じる可能性があります。 その場合は下記の文献・資料・HPにあたって頂ければ幸いです。なお、ここでは日本語の出版物や無料で閲覧できるHPを優先しました。 分類的な研究では、原典や新旧のモノグラフにあたることは当然必要ですが、ここではそれらについては触れていません。

藍藻

渡邊眞之.2007.日本アオコ大図鑑.誠文堂新光社.

ネンジュモ目Nostocalesの属については新しい分類体系に対応していないものもあるので、それらについては「浮遊性藍藻データベース」 または下に示す「日本産アオコ形成藍藻種のチェックリストおよび分類学的コメント」を参照して欲しい。 またユレモ目Oscillatorialesについては取り上げている属や種が少ない。ユレモ目に含まれる属については「藍藻類ユレモ目の新分類体系の紹介」を参照して欲しい。

辻彰洋・新山優子.2012.日本産アオコ形成藍藻種のチェックリストおよび分類学的コメント(短報).日本プランクトン学会報 59(1):30-34.
新山優子.2012.藍藻類ユレモ目の新分類体系の紹介.陸水学雑誌 73(3):187-196.

ユレモ目Oscillatorialesの6つの科とそれぞれに含まれる属について解説しているが、個々の種については触れていない。

新山優子・辻彰洋.2013.「総説」藍藻ネンジュモ目の浮遊性種の分類学的変更と類似種の比較.陸水学会誌 74:153-164.

ネンジュモ目の個々の種の同定ポイントについて述べた論文。
渡辺眞之氏の個別の藍藻種に関する論文はこちらから

緑藻・ミドリムシ類

廣瀬弘幸・山岸高旺.(編)1977.日本淡水藻図鑑.内田老鶴圃新社.
月井雄二.2010.淡水微生物図鑑-原生生物ビジュアルガイドブック-.誠文堂新光社.
Ciugulea I. & Triemer, R. E. 2010. A color atras of photosynthetic euglenoids. Michigan State University Press.

ミドリムシ藻の種レベルの分類に有益。

鞭毛藻類(渦鞭毛藻類・黄色鞭毛藻類・クリプト藻類など)

水野寿彦・高橋永治.2000.日本淡水動物プランクトン検索図説.東海大出版会.
小島貞男・須藤隆一・千原光雄.(編) 1995.環境微生物図鑑.講談社サイエンティフィック.

赤潮の原因となる渦鞭毛藻類の説明が分かりやすい。

珪藻

基本的な珪藻属・種について(大まかな同定には下記のうち一つがあると便利である。):

渡辺仁治.(編) 2005.淡水珪藻生態図鑑.内田老鶴圃.

属名はSimonsen(1979)の旧来の体型で示されており、シノニムとして新しい属名が触れられている。

Lange-Bertalot (ed.) Diatomeen im Süßwasser-Benthos von Mitteleuropa.

簡易同定レベルでは必要ないが、付着性珪藻を同定するためには重宝する。ドイツ語。

田中正明.2002.日本淡水動植物プランクトン図鑑.名古屋大学出版会.

HP 「DIATOMS of the United States」

未完成であるが、レベルは高く、北米の珪藻種は日本と共通種が多いため、有用である。

中心類珪藻の種レベルの同定や属について

辻彰洋・伯耆晶子.2001.琵琶湖の中心目珪藻 90 pp. 琵琶湖研究モノグラフ 7.滋賀県琵琶湖研究所

SEM観察時に有用であるが、Discostella属など、近年に変更された属や種についてはカバーできていない。

個別の種については下記の文献を参考にして下さい。

Aulacoseira granulata f. spiralis
辻彰洋 2006. Aulacoseira granulata f. spiralis (Hust.) Crarn. & D.Reinkeの本邦での出現について. Diatom 22: 76-77.

Fragiaria gracilis
Tuji, A. 2007. Type examination of Fragiaria gracilis strup (Bacillariophyceae). Bull. Natn. Sci. Mus., Tokyo, Ser. B, 33: 9-12.

Ulnaria japonica :
Tuji , A. 2009. The transfer of two Japanese Synedra species (Bacillariophyceae) to the genus Ulnaria. Bull. Natn. Sci. Mus. Tokyo ser. B. 34: 11-16.

Ulnaria delicatissima :
Tuji, A. & Houki, A. 2004. Type examination of Synedra delicatissima W.Sm. and its occurrence in Japan. Bull. Nat. Sci. Mus. ser. B. 30: 151-154.

Aulacoseira subarctica, A. nipponica :
Tuji, A. & Houki, A. 2004b. Taxonomy, ultrastructure, and biogeography of the Aulacoseira subarctica species complex. Bull. Nat. Sci. Mus. ser. B. 30: 35-54.

Aulacoseira pusilla :
辻彰洋・Williams, D.M. 2006a. 淡水産中心目珪藻Aulacoseira pusilla (F.Meister) Tuji et Houkiのタイプ観察. Diatom 22: 70-73.

Fragilaria rumpens :
Tuji, A. & Williams, D. M. 2006b. Examination of the type material of Synedra rumpens = Fragilaria rumpens, Bacillariophyceae. Phycoll. Res.: 99-103.

Ulnaria japonica, Aulacoseira pusilla :
Tuji, A. & Williams, D. M. 2007. Type examination of Japanese diatoms described by Friedrich Meister (1913) from Lake Suwa. Bull. Natn. Sci. Mus., Tokyo, Ser. B, 33: 69-79.


本ページの作成にあたっては下記の文献から多くの写真を引用しました。

Tuji (2007, 2009, 2011, 2012, 2013) Algae aquae dulcis Japonicae exsiccatae. 1-5. Nos. 1-100.
辻彰洋・伯耆晶子. 2001. 琵琶湖の中心目珪藻 90 pp. 琵琶湖研究モノグラフ 7. 滋賀県琵琶湖研究所


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