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池や水田、湖沼には「藻」と呼ばれる小さな生き物がたくさん住んでいます。人間は花鳥風月といってさまざまな自然の生き物などをデザインとして用いて、生活を豊かにしてきました。
かつて私が理学部植物学教室の学生として学んでいた頃、分類学の実習ではじめて顕微鏡を使い、水中の美しい形をした微小な藻類の世界を知りました。
その頃から、この想像を超えた美しい生き物の世界を多くの人に知ってほしい、そしてデザインに生かしてもらえないものかと思っていました。
この展示では手始めとして、私が日本で観察した7種の“クンショウモ”勲章のような形の藻をモチーフとした簡単なデザインの例をご紹介いたします。
クンショウモは緑藻類のクロロコックム目のなかまで、水田や池の底に沈んで生活するものから、霞ヶ浦や琵琶湖のような大きな湖で浮遊生活をするものまで世界で約15種類、日本で約9種類が知られています。
種類によっては近くの公園や学校の観察池でも良く見かけるありふれた藻です。
クンショウモは4、8、16、32細胞、大きなものでは100を超える細胞がほぼ規則的に、円盤状に並んで勲章のような形をしているのでクンショウモの名がついています。
クンショウモは4細胞ないし数10細胞、時には100を超える細胞が放射状に並び、円盤状の勲章のように見えるところからその名がつきました。
実際、群体をつくる細胞の数は2の倍数の一定の数の細胞でできているので、定数群体と呼びます。
では、どのようにしてクンショウモは増えているのでしょうか。
群体が十分成長し栄養を蓄積すると各細胞は分裂をはじめます。3回分裂すると8細胞、4回分裂すると16細胞の娘群体が出現します。