研究室だより

2024年5月

ふたたび見つかったモトスマリモ

今年(2024年)の正月明け、神奈川県川崎市にお住まいの方から、かはくの学習支援活動の担当者にご連絡をいただきました。 水槽にこちらのページ『日本新産種のモトスマリモ』 で紹介している モトスマリモに似たものがいる、とのことでした。

早速、その一部を送ってもらい、顕微鏡観察と遺伝子解析を行ったところ、甲府で見つかったモトスマリモとは、形態的にも遺伝子的にも少し違いはありましたが、モトスマリモと同定できました。

この方は多摩川の河川敷から石を拾い、飼っている熱帯魚の水槽に入れていて、その石の表面にモトスマリモが発生したとのことです。 微細藻類研究室では、富士五湖で潜水調査を続けモトスマリモを探していますが、今のところ見つかっていません。

この川崎で見つかったモトスマリモは、NHKやフジテレビ系の全国放送で大きく報道され、微細藻類研究室には「うちの家にもマリモがいる」と、30件を超える藻類が送られてきています。 また、筑波実験植物園でも展示を行いました(2024年5月7日に終了しました)。

送っていただいた藻類は培養室で保管し、顕微鏡で観察したり遺伝子解析を順次行っています。詳細がまとまりましたら、あらためてご報告する予定です。

培養室のサンプル
※字幕あり
一覧へ戻る
Copyright© 2019-
国立科学博物館植物研究部
National Museum of Nature and Science. All rights reserved.