日本産絶滅危惧植物のグローバルレッドリスト

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はじめに

一般に絶滅危惧植物のレッドリストは国あるいは地域単位で作成されます。しかし、本来、植物の分布にとって国境とは無関係で、絶滅危惧植物の保全を考えるためには、グローバルな概念が必要となります。
グローバルなレッドリストとして、全球を対象としたレッドリストが国際自然保護連合 (IUCN) から定期的に発行されています。そのIUCN レッドリストでは、哺乳類などある分類群については充実していますが、種子植物については、対象とする範囲と数が膨大であるため、調査を行った種はわずか4%に過ぎず、これらの分類群については早急な調査が求められています。

2010年10月、第4回東アジア植物園ネットワーク会議が名古屋で開催されました。その会議で東アジアのグローバルな生物多様性の保全、そして優先して研究すべき植物種を考えるため、国あるいは地域の各レッドリストを統合した東アジアを対象とした植物のグローバルレッドリストをつくるワーキンググループが結成され、国立科学博物館筑波実験植物園を中心に進めていくことになりました。
そのプロジェクトの第一段階として、本データベースでは、日本の絶滅危惧維管束植物 (環境省 2012) について、周辺地域となる中国、韓国、台湾、ロシア東部における分布と状態(絶滅危惧あるいは非絶滅危惧)をまとめました。

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編集

國府方吾郎・加藤雅啓(国立科学博物館)

謝辞

東アジア統合レッドリストの作成にあたり、次の方々に情報提供などの協力を頂きました。
Homing CHANG (Endemic Species Research Institute, Taiwan)
Wen-liang CHIOU (Taiwan Forest Research Institute)
海老原淳 (国立科学博物館)
福田知子 (国立科学博物館)
Hong-wen HUANG (South Chinese Botanical Garden)
Pavel KRESTOV (Vladivostok Botanic Garden)
Victor KUZEVANOV (Botanic Garden of Irkutsk State University)
Byung-Chun LEE (Korean National Arboretum)
Chan-ho PARK (National Institute of Biological Resources, Korea)
Valentin V. YAKUBOV (Russian Academy of Sciences)


このプロジェクトは一部に三井物産環境基金研究助成 (No. C10-C097) を受けて行われました。