イントロダクション
植物の葉には養分や水分を運ぶための管(=葉脈)が複雑に走っています。皆さんも経験的に知っているように、葉脈の入り方には種類やグループごとに決まった特徴があります。
化石の植物の葉からその種類を調べるには、この葉脈が鍵となります。しかし、現在の植物の葉脈がまとまった図鑑は世にないだけでなく、肉厚の葉などの場合には、
表面から葉を眺めただけでは脈の特徴がわかりづらいことも多くあります。そこで、葉を薬品処理して透明にし、どんな葉でも葉脈がはっきりとわかるようにしたのが葉脈標本です。
普通、葉脈にはいくつもの階層があります。多くの葉の中央にある、一番太い脈が主脈、そこから枝分かれした、次に太い脈が二次脈、さらに次の太さのものが三次脈で、
種類によって5段回以上にまで、複雑なつくりとなる場合があります。もっと細かく見ると、種類によっては高次の脈が組み合わさった網目があり、その網の中に葉脈の先端が突びだす様子もわかります。
このように、葉脈にはとても面白い複雑さがあるのです。
このデータベースでは、国立科学博物館が収蔵するおよそ4500点の葉脈標本をすべて見ることができます。拡大縮小も自由自在です。ぜひ葉の形の複雑さ、そしてその規則性を楽しんで、葉から植物の種類を調べることにも挑戦してみましょう!