ウグイス
Cettia diphone
12地域311個体
「ホーホケキョ」などと聞こえるH型と「ホーホホホケキョ」などと聞こえる
L型のさえずりがある。
それぞれのオスは、H型、L型のさえずりを少なくとも1つずつを含む
2~5程度のさえずりタイプをもっている。
独特のレパートリーを聴き分ければ、個体識別もある程度可能である。
地域差としては、島しょで単純なさえずりをもつこと、また1羽のオスがもつ
さえずりタイプ(レパートリー)が多いことがわかっている。
- ウグイスの「ちょっと詳しく」
-
低地で越冬したウグイスは、山や北の地方に帰って繁殖する。そのため暖かい地方の平野部で春先に聞かれるさえずりは、その地方で繁殖するウグイスのものではないことが多いと思われる。このデータベースの資料は、すべて繁殖地において録音されたものである。
声紋を用いた定量的分析から、島のさえずりは単純な構造であることが明らかにされている。「ホケキョ」などと聞こえるさえずりの後半部分が短く、周波数変調(音の高低の変化)が少ないのである。一般に、複雑なさえずりは、オス間の争いやメスの獲得で有利にはたらく。島のウグイスは季節的移動(渡り)をしないので、毎年オスが新たになわばりをつくるわけではない。また、メスは捕食者に巣を襲われると再配偶(離婚・再婚)するが、島では捕食者が少ない。そのため、島ではオス間のなわばり争いやメスが配偶者を選ぶ機会が少なく、複雑なさえずりが進化しないものと考えられる。
参考論文:- Hamao, S., 2022. Acoustic characteristics of songs in a recently established population of the Japanese bush warbler on an oceanic island. Zoological Science 39.
- Hamao, S., 2015. Rapid change in song structure in introduced Japanese Bush-warblers (Cettia diphone) in Hawaii. Pacific Science, 69: 59-66.
- Hamao, S., 2013. Acoustic structure of songs in island populations of the Japanese bush warbler, Cettia diphone, in relation to sexual selection. Journal of Ethology, 31: 9-15.
- Hamao, S. and K. Ueda. 2000. Simplified song in an island population of the bush warbler Cettia diphone. Journal of Ethology 18: 53-57.
地域を選んでください。下にさえずりがあらわれます。
1
新潟県妙高高原
2
埼玉県比企丘陵
3
伊豆諸島新島
4
伊豆諸島三宅島
5
奄美諸島喜界島
6
小笠原諸島母島
7
茨城県つくば市
8
小笠原諸島父島
9
伊豆諸島八丈島
10
南大東島
11
北海道網走周辺
12
青森県津軽平野