シジュウカラ
Parus minor
8地域291個体
森林から住宅地まで生息し、巣箱をかけるとよく利用する。
さえずりは「ツピツピツピ・・・」のような2拍子や「ツツピツツピ・・・」のような
3拍子に聞こえるが、声紋を見るとより多くの音が含まれており複雑である。
南西諸島南部の石垣島・西表島の亜種イシガキシジュウカラは、聞いた感じが
明らかに異なる。
声紋でどのように異なるのかを観察していただきたい。
- シジュウカラの「ちょっと詳しく」
-
シジュウカラの声紋をみると、異なる形の黒いシミが縦に並んでいる場合がある。これは、一羽の鳥が同時に異なる音を出していることを意味する。ヒトでは声帯は一つしかないので、このようなことはできない。しかし、鳥は気管が左右に分かれる部分に音を発する鳴管があるので、左右をそれぞれはたらかせ異なる音を出すことができる。笛を二本くわえて、一人で合奏しているようなものである。シジュウカラに限らず、他の鳥でもこのようなさえずり方をしている場合がある。
ヤマガラがほとんどいない石垣島、西表島のシジュウカラは、ヤマガラの特徴である周波数が高く、一つの音が長いさえずりをする傾向がある。ヤマガラと共存するほかの島や本土のシジュウカラは、ヤマガラに同種と誤認されないように異なるさえずりを進化させたと考えられる。
参考論文:- Hamao, S., N. Sugita and I. Nishiumi, 2016. Geographic variation in bird songs: examination of the effects of sympatric related species on the acoustic structure of songs. Acta Ethologica, 19: 81-90.
- Hamao, S., Inoue, A. and Kamito, T., 2020. Relationships among song characteristics in Japanese tits. Journal of Ethology, 38: 383–387.
地域を選んでください。下にさえずりがあらわれます。
1
東京23区内
2
鹿児島県霧島山
3
奄美大島
4
徳之島
5
沖縄島
6
石垣島
7
西表島
8
茨城県つくば市