多くの魚が多かれ少なかれ吸いこみ方式を採用しているが,その極端な例がヤガラの仲間である.ヤガラの長い口の中に陰圧を作り出すと,口はピペットのように獲物を吸いこんでしまう.ふつうの魚はせいぜい2〜3センチ先にある餌を吸いこめるだけであるが,ヤガラはまるで強力な掃除機のように数十センチ先の小魚も吸いこむことができる.ヘラヤガラはサンゴ礁にすむ熱帯性の魚であるが,南日本にも生息している.口がピペットのように長くのびているのが特徴である.餌となる魚をおそうときに,他の魚に隠れて近づくこともある.全長80cmになる.