毒 を 出 す
貝殻を取り除いたサザエを海底に置いたら、たちまち魚などに食べられてしまうだろう。では、殻がなく、体がやわらかく、かつ派手な色をしたウミウシの仲間が食べられないのはなぜだろう。実は、多くのウミウシの仲間が体から強い酸など捕食者の嫌う物質を分泌しているのである。
イボウミウシ類は敵に襲われると、体の表面から毒を含んだ粘液をだす。この粘液には二度とかぎたくなくなるようないやな臭いがある。タテヒダイボウミウシの粘液を水槽に滴らしたところ、なかの魚やエビの仲間が死んでしまったという報告もある。ただしタテヒダイボウミウシに刺激を与えなければ魚を同じ水槽にいれておいても魚が死ぬことはない。イボウミウシ類の毒は、食物であるカイメン類からとりこまれる。
タテヒダイボウミウシPhyllidia varicosa 撮影:斎藤 寛
フィリディア エレガンスPhyllidia elegans 撮影:斎藤 寛
コイボウミウシPhyllidiella pustulosa 撮影:斎藤 寛
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