発光するホタルイカ Watasenia scintillans 撮影:稲村 修(魚津水族館)
海に射し込む太陽の光は水深とともに消失していくが、水深数百メータまでは上を見上げると薄明るい。そのため、中層で泳ぎ回る小型の魚類やイカ類は、下から見上げる大型のハンターたちにちょうど影絵のようで,発見されやすい。どうしたら発見されにくくなるのか、自分の影を消せばよい。そのためには、上からくる光と同じ強さの光を、体の下側すなわち腹面から発すればよい。ハダカイワシ科魚類やホタルイカ科イカ類が腹側にもっている微小な発光器は、自分の影を消し捕食者の目を逃れる重要な働きをしているのである。