深海性魚類


Database for Aquatic-vertebrate Science

東北太平洋岸


日本海溝へ連続する海底斜面は東北スロープとよばれています。本海域にはまだ多くの未知の種が残されているようです。1995年から水産庁東北区水産研究所の漁業調査船で深海底の魚類(底魚)の資源調査をおこなっていますが、これまでゲンゲ科の新種や稀種、アカグツ科の新種などが発見されています。


ダイダイヘビゲンゲ
Lycenchelys auratiaca:Shinohara and Matsuura (1998)

本調査により新種として発表されたゲンゲ科ヘビゲンゲ属の1種。東北太平洋岸の水深500-700mに生息する。橙色の体や頭部の表面にあり感覚孔パターンでその他のゲンゲ科と区別できる。東北太平洋岸ではその後の調査でも採集されているが、生息数はそれほど多くはない。


ワカタカユメソコグツ
Coelophrys bradburyae:Endo and Shinohara (1999)

本調査により新種として発表されたアンコウ目アカグツ科魚類。水深約600mから採集された。アカグツ科は大部分の種類が円盤状の平たい体をもっているが、ユメソコグツ属の体は丸くてボール状。同論文ではこの丸い体が、扁平の体をもった祖先種から進化したことを推定した。和名は調査船若鷹丸に由来する。





黒点は調査地点