南の動物プランクトン イカ・タコ類の仲間


 イカ・タコ類は二枚貝や巻貝が代表する軟体動物の仲間で、分類学的には軟体動物門(Mollusca)の7綱のうちの頭足綱(Cephalopoda)にわけられる。すべて海産で世界の海洋から650−700種ほどが知られている。比較的大型で成体では活発に遊泳するイカ類でも、孵化直後の稚仔は遊泳力が未発達で、一時期浮標的な自由生活を送る。また、底棲性タコ類の多くも、孵化稚仔は浮標的な生活を送り動物プランクトンの一員となる。その他、サメハダホウズキイカ科(Cranchiidae)のイカ類のように、成体でも体内に比重の軽い体腔液を満たし浮標的な生活を送るものもいる。
 ここでは、代表的なサメハダホウズキイカ科の3種と熱帯・亜熱帯海域表層域で優占するトビイカ、ツメイカ科の稚仔をはじめ、ヒレギレイカやホタルイカモドキ科の若体、タコ類数種の稚仔を掲載した。半透明な体で、鰓心臓、心臓の動きが透けて見えるLiguriellaや、体表の色素胞が黄金色に変化するOnychoteuthis sp.、輝く発光器をもつPterygioteuthis giardi、タコの稚仔のひょうきんな動きなど十分お楽しみください。

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画像. 採集地点 種名 和名 査定者
27-00.2S, 174-60.0E Cranchia scabra Leach, 1817 サメハダホウズキイカ 窪寺恒己
30-06.3S, 171-58.6E Cranchia scabra Leach, 1817 サメハダホウズキイカ 窪寺恒己
2-02.7S, 157-35.9E Liguriella sp. サメハダホウズキイカ科 窪寺恒己
2-02.7S, 157-35.9E Liguriella sp. サメハダホウズキイカ科
鰓心臓と心臓の動き,眼柄
窪寺恒己
11-59.8S, 160-00.2E Liguiella sp. サメハダホウズキイカ科 窪寺恒己
27-00.2S, 174-60.0E Cranchiidae サメハダホウズキイカ科稚仔 窪寺恒己
14-59.9S, 160-00.2E Onychoteuthis sp. ツメイカ 窪寺恒己
14-30.9S, 160-03.4E Onychoteuthis sp. ツメイカ 窪寺恒己
14-30.1N, 142-00.1E Onychoteuthis? sp. ツメイカ科 窪寺恒己
11-59.8S, 160-00.2E Onychoteuthis sp. C Young & Harman, 1987? ツメイカ科 窪寺恒己
27-00.2S, 174-60.0E Onychia? sp. ツメイカ科の稚仔 窪寺恒己
30-00S, 176-60E Onychoteuthis sp. ツメイカ科の稚仔 窪寺恒己
28-29.8S, 163-00.2E Onychoteuthis sp. ツメイカ科の稚仔 窪寺恒己
26-30.2S, 163-00.3E Onychoteuthis sp. ツメイカ科の稚仔 窪寺恒己
27-00.2S, 174-60.0E Sthenoteutis oualaniensis (Lesson, 1830) トビイカ 窪寺恒己
12-33.1N, 142-01.2E Sthenoteutis oualaniensis (Lesson, 1830) トビイカ(リンコトウチオン) 窪寺恒己
14-30.9S, 160-03.4E Sthenoteuthis oualaniensis Lesson, 1830 トビイカのリンコトウチオン幼生 窪寺恒己
28-29.8S, 163-00.2E Ctenopteryx siculus (Verany, 1851) ヒレギレイカ 窪寺恒己
6-58.0S, 160-02.3E Cranchia? ふくれほうずきいか 窪寺恒己
12-00.1N, 141-56.8E Abralia sp. ホタルイカモドキ科 窪寺恒己
14-30.1N, 142-00.1E Abralia sp. ホタルイカモドキ科 窪寺恒己
12-57.1S, 159-59.2E Enoploteuthis sp. ホタルイカモドキ科 窪寺恒己
2-02.7S, 157-35.9E Pterygioteuthis giardi マダマイカ 窪寺恒己
30-00S, 176-60E Pterygioteuthis giardi マダマイカ 窪寺恒己
14-14.1N, 142-52.0E Bathothauma lyromma Chun, 1906 メナガイカ 窪寺恒己
30-06.3S, 171-58.6E Liguiella? メナガイカ? 窪寺恒己
2-02.7S, 157-35.9E Octopus sp. マダコ科 窪寺恒己
12-00.1N, 141-56.8E Octopus sp. マダコ科 窪寺恒己
14-30.1N, 142-00.1E Octopus sp. マダコ科 窪寺恒己
30-00S, 176-60E Octopus sp. マダコ科の稚仔 窪寺恒己
26-30.2S, 163-00.3E Octopus sp. マダコ科の稚仔 窪寺恒己

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