南の動物プランクトン かいあし類 (コペポーダ)


 カイアシ類は甲殻類の仲間で、分類学的には甲殻亜門(Crastacea)の顎脚綱(Maxillopoda)、カイアシ亜綱(Copepoda)に属する動物群で、8000種以上が知られている。体長は通常0.3−10mmほどで、多くは海洋、淡水域で浮標的な自由生活を送るほか、少数は魚類などに寄生するものもいる。海洋動物プランクトンの最も重要なグループの一つである。体は米粒に長い1対のアンテナと短い尾が付いたような姿で、米粒は通常6節に分けられる。アンテナのついている一番前の節が頭部で、以降第1胸節から第5胸節となる。頭部の腹側には第1触角(アンテナ)、第2触角、上顎、第1下顎、第2下顎がそれぞれ一対づつ並び、各々の胸節には一対の二叉した胸肢が付く。この胸肢がオール(櫂)のような形をしていることから、カイアシ類と呼ばれる。尾の部分も4節に分けられ、上から生殖節、第1腹節、第2腹節、肛門節でその後ろに1対の尾肢が付く。
 ここには、よく発達した扇のような第2触角を優雅に打ち振り泳ぐEuchaeta rimanaや、第1触角を使って瞬時に移動するCandacia、コペポーダとは思えない金属的な輝きのSaphirinaなど、種まで同定されていないものも含め約22種のコペポーダを掲載した。

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画像 採集地点 種名 和名 査定者
27-00.2S, 174-60.0E Euchaeta rimana コペポーダ 雌 大塚 攻
27-00.2S, 174-60.0E Euchirella sp. コペポーダ 大塚 攻
27-00.2S, 174-60.0E Euchaeta rimana コペポーダ 大塚 攻
29-59.9S, 172-59.8E Sapphirina sp. サフィリナ 窪寺恒己
30-06.3S, 171-58.6E Candacia ethiopica コペポーダ(黒)雄 大塚 攻
29-27.2S, 163-00.4E Arietellus setosus コペポーダ 雌 大塚 攻
29-27.2S, 163-00.4E 不明 コペポーダ(小型・透明) 大塚 攻
29-27.2S, 163-00.4E Eucalanus attenuatus コペポーダ(大型) 雌 大塚 攻
29-27.2S, 163-00.4E Phaenna spinifera コペポーダ(小型丸体) 大塚 攻
28-29.8S, 163-00.2E Euchaeta rimana? コペポーダ(胸脚扇状) 大塚 攻
28-29.8S, 163-00.2E Arietellus aculeatus コペポーダ(大型)雄 大塚 攻
28-29.8S, 163-00.2E Euchaetidae コペポーダ(小型) 雄 大塚 攻
26-30.2S, 163-00.3E Euchirella sp. コペポーダ(小型2個体) 大塚 攻
14-59.9S, 160-00.2E Candacia pachydactyla (コペポーダ黒脚) 雄 大塚 攻
14-59.9S, 160-00.2E 不明 コペポーダ透明赤 大塚 攻
14-29.8S, 160.00.1E Chirundina streetsii コペポーダ(大型)ダイダイコペ 雌 大塚 攻
12-57.1S, 159-59.2E 不明 コペポーダ(大型)たんちょうこぺ 大塚 攻
11-59.8S, 160-00.2E Gaussia princeps コペポーダ 雌 大塚 攻
12-33.1N, 142-01.2E Gaetanus simplex コペボーダ(橙色) 戸田龍樹
13-56.6N, 141-58.6E Aretellus cf. giesbrechti コペポーダ(黄色尾扇)雌 大塚 攻
13-56.6N, 141-58.6E Chirundina streetsii? コペポーダ(大型,典型的) 大塚 攻
14-13.6N, 142-53.6E Sapphirina sp. サフィリナ 窪寺恒己
14-13.6N, 142-53.6E 不明
コペボーダ (小)
17-50.3N, 142-39.9E Sapphirina sp. サフィリナ 窪寺恒己
17-50.3N, 142-39.9E Pontella属の1種 コペポーダ(青) 雄 大塚 攻
17-50.3N, 142-39.9E Pontellidae sp コペポーダ(青2) 大塚 攻

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