ユキノシタ属の多様性をさぐる
知られていない新種がまだまだたくさん!!!
秋山 忍
ユキノシタ属は、ユキノシタ科に属し、約450種が主に世界の高山帯に生育する。ヒマラヤから中国にかけての中国−ヒマラヤ地域(Sino-Himalayan region)には多くの種が分布している。ネパール高山帯では最も種の多様性が高い属といわれている。
この中国−ヒマラヤ地域にユキノシタ属植物が何種分布しているのか、どのような形態をしているのか、またそれらの種の系統関係を調べている。
この中国−ヒマラヤ地域にユキノシタ属植物が何種分布しているのか、どのような形態をしているのか、またそれらの種の系統関係を調べている。
中国−ヒマラヤ地域の高山(標高6000〜8000m)
中国−ヒマラヤ地域
ユキノシタ属の花
中国−ヒマラヤ地域の高山帯には黄色の花をつけるグループの種が多い。写真左:草の高さはわずか2cmほど。花が咲いていないとコケのように見える。
写真中:下向きに花を咲かせる。湿った高山草原に生育する。草の高さは10cmほどである。萼は赤く、腺毛が密生する。
写真右:高山帯までの道は遠い。橋のない急流を渡る大きな荷物を背負ったポーターたち。氷河からの水は零度に近く、流されたら危険。
写真左:1994年のネパール調査で発見された新種のSaxifraga ganeshii。1999年当館研究報告(植物学)で発表された。
写真右:高山帯(標高4000m)での調査、調査チーム以外の人影はまったくみられない。