海老原 淳(えびはら あつし)
植物研究部
私が最初の研究材料として選んだコケシノブ科は、コケのような小型の種が多く、シダとしては少し変わりものです。分類が諸説入り乱れていたこの仲間において、DNAの情報を利用して系統関係を再検討するのが私の最初の研究でした。
世界にはとても変わった形をしたコケシノブ科が何種か知られていましたが、その中で最も情報が乏しく、謎に包まれていたのが、ニューカレドニアで20世紀初頭に採集され、Rosenstockia rolandi-principisと名づけられていた種です。
2000年、我々はこのシダの唯一の産地である北部パニエ山において調査を実施しました。山頂付近の雲霧帯では、Rosenstockiaはふつうに見られる種であることがわかりました。
植物研究部