ハイゴケ科研究最先端
樋口 正信
まだ答えの出ない分子系統解析
ハイゴケ科の系統関係の解明を目的とした葉緑体3遺伝子を用いた分子系統解析では、ハイゴケ目は単系統となるものの、その中の科間、属間の関係は明瞭ではなく、ハイゴケ科は多系統になるという結果が得られた。
ハイゴケ科の系統関係の解明を目的とした葉緑体3遺伝子を用いた分子系統解析では、ハイゴケ目は単系統となるものの、その中の科間、属間の関係は明瞭ではなく、ハイゴケ科は多系統になるという結果が得られた。
ハイゴケ科とは?
ハイゴケ科はコケ植物のスギゴケで代表される蘚綱(約100科10000種を含む)の1科。葉の短い二本の中肋、分化した翼細胞、発達した二列の剋浮ネどが特徴。熱帯から極地まで広く分布する、コケ植物中最も大きな分類群の一つ。現在60以上の属、1000以上の種を含む。しかし、それらの系統関係は明らかではない。
ハイゴケ科はコケ植物のスギゴケで代表される蘚綱(約100科10000種を含む)の1科。葉の短い二本の中肋、分化した翼細胞、発達した二列の剋浮ネどが特徴。熱帯から極地まで広く分布する、コケ植物中最も大きな分類群の一つ。現在60以上の属、1000以上の種を含む。しかし、それらの系統関係は明らかではない。
とりあえずハイゴケ科?
コケ植物には分類学的検討が必要な分類群がまだ多く残されている。中でも、ハイゴケ科は最大の分類群の一つであり、系統的に異質なものの集まりと考えられており、その検討は緊急の課題である。異質性の理由として、近縁な科の再検討の際、行き場のないものはハイゴケ科へ移されることが多かったこと、「二本の中肋と平滑な葉細胞をもつ」新種や新属はまずハイゴケ科のものと疑われる傾向があることがあげられる。