まだまだあるぞ!未知の菌類たち
細矢 剛
■菌類はカビ・酵母・きのこの仲間です。 菌類は、食物(シイタケなど)、発酵食品の製造(味噌・しょうゆなど)、医薬品原料の生産(抗生物質など)等、応用面でも私たちの生活に深く関わっています。 ■現在知られる菌類は、世界では約8万種、日本では約1万3千種です。しかし、実際には150万種も存在すると言われており、世界にはもちろん、日本にもまだ多数の未記載の菌類があって、今後の研究が待たれています。 |
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テーマ1:日本のチャワンタケ類の菌類相を明らかにする ■チャワンタケとは菌類の2/3を占める子嚢菌類というグループの1/3が所属する大きなグループです。子嚢菌類の中では原始的なグループと考えられ、系統分類学的に整理されることが求められています。 ■チャワンタケ中最大のグループ「ビョウタケ目」は、子嚢菌類中2番目に種数の多いグループでもあります。これらの菌は非常に小さなきのこを形成し、研究が進んでいません。私は、この小さなグループに特に注目し、研究しています。その結果、いままでに多くの日本新産種(日本で初めて見つかった)、新種(初めて記載された)がみつかりました。 |
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テーマ2:ヒアロスキファ科の菌類の系統分類 ■ビョウタケ目に含まれるヒアロスキファ科の菌類は、円盤状の頭部が柄に付いた非常に小さなきのこを形成します。 これらの中には有用な生理活性物質(クスリのもと)の生産菌も含まれ、重要な生物資源として期待されます。 しかし、まだ分類学的に整理されていません。 私は、分子系統学的手法によってのグループの再整理をめざして研究しています。 |