加藤 雅啓(かとう まさひろ)
(退官)
【1】カワゴケソウ(川苔草)科の特徴 (1)生えているところ=川の早瀬の岩場 (2)姿かたち=コケのような姿であるが、花が咲く顕花(被子)植物 (3)一年の生活=水位の高い雨期(夏)は水中で成長し、水位が下がる 乾期(冬)は空中に露出し枯れるが、その前に開花し結実する |
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【2】カワゴケソウの祖先 オトギリソウ科から約7千万年前に進化したことが 分子系統解析からわかった(Gustafsson ら2002) |
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【3】コケに似た珍奇な形態 (1)緑色の葉状の体は、光合成できるように特殊化した根であり(根冠がある)、その上の突起が本来の葉である。 (2)葉は根の内部でつくられ、根の細胞が消失する結果、1枚1枚の葉の輪郭ができあがり、独立した葉が形成される。 |
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【4】植物のつくり(基本設計図)が変わっている (1)根の上に葉がついている (2)根の上に花が咲く (3)成長方向を上下軸から水平軸に切り変えた |
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【5】カワゴケソウ科の研究から見えてくること (1)カワゴケソウ科は環境に適応した珍奇な姿かたちをつくりあげて極限的な環境に生きている。 (2)「生物は生育可能ならどんな環境にでも進出する」ことを示す生物進化の生き証人である。 (3)カワゴケソウ科は鹿児島県などの天然記念物として保護されている。 (4)カワゴケソウ科のような植物は、特有の環境が破壊されると簡単に絶滅する。 |
(退官)