松本 定(まつもと さだむ)
(退官)
1.静岡県立下田北高校で南伊豆のシダ植物調査を始める。 中学校の笹本岩男教諭の勧めで日本シダの会入会、野外調査を通して、伊藤洋、倉田悟、志村義雄各教授と知り合う。 |
|
2.東京農業大学農学科育種学研究室卒論(Adiantum属の染色体研究) 1年時小石川植物園でアジアンタムの胞子を譲り受け4年間で成熟させ観察。 クジャクシダ 南アルプス産 N=60(4倍体) 関東では2倍体が知られていた |
|
3.同大学院修士論文(日本産イノモトソウ群とオオバノイノモトソウ群の細胞遺伝学的研究): 自然雑種と無配生殖に注目し、種ゲノム推定から種分化を研究 |
|
4.ミヤマワラビの2生殖型の東日本における分布パターン 有性生殖型( 2倍体起原型)が中部日本の針葉林帯に残存 |
|
5.平成14年 東京農業大学博士論文(日本列島におけるオニヤブソテツ複合種の生殖様式に関する種生態学的研究) 筑波実験植物園で長年かけて全国から収集、栽培、交配、配偶体の直接観察による生殖様式の遺伝、科博の押し葉標本の利用により種の分化の実態を明らかにした。A1, A2, B型はそれぞれAA, AA, AAAと同質,C型はAABBの異質ゲノム |
|
6.ヤブソテツ属無融合性複合体のゲノム構成(松本・海老原,2007) DNA分析とプロイディーアナライザーにより日本産ヤブソテツ属全種類のゲノム構成が1年足らずでほぼ明らかになってきた。 |
|
7.今後の予定 ・西太平洋調査、特に台湾調査でヌリトラノオ類、イノモトソウ類、ヘラシダ、ナチシケシダ、ヤブソテツ類で起原型の2倍体が見つかってきた。絶滅危惧種クマヤブソテツ(3倍体無配性殖種)の起原を求めて中国峨眉山へ ・植物相研究として南太平洋植物図鑑(日本シダの会と共同)、ブータンのシダ植物チェックリスト(ブータン標本館、エディンバラ植物園と共同) ・相模灘調査 ー伊豆須崎の海岸植物保全と教育普及 ・カザグルマなど絶滅危惧植物の保全 |
(退官)