日本にはどんなヒザラガイ類がすんでいるのだろう
ヒザラガイ類とは
ヒザラガイ類はアサリやサザエなどと同じ軟体動物のなかまですが、背中に8枚の貝殻をもつことで二枚貝類や巻貝類とは別の多板類というグループに分類されます。ヒザラガイ類はすべて海産で、岩や石の上などにすみ、海藻などを食べます。体長は多くが 1〜10 cm ほどです。
日本のヒザラガイ類は当館の研究員であった故瀧庸(たき いさお)博士によって研究され、1962年に100種が分布することが報告されました。その後も新種や日本に分布することが知られていなかった種が続々と見つかっています。今後の研究によって日本に分布するヒザラガイ類は150種以上になるのではないかと推測しています。世界中から報告されている種数は800種ですから、日本のヒザラガイ類相はかなり豊かであることがわかります。
深海のヒザラガイ類
調査船や潜水艇を使って標本を集めます。当館では1993年から深海動物相調査を続けています。これまでに駿河湾、土佐湾、南西諸島で調査・研究を行ってきました。現在は東北地方太平洋岸で調査を続けています。このうち駿河湾の水深90-1000 mからは16種が見つかり、そのうち6種を新種として記載発表しました。