なぜ、ウグイスはさえずり続けるの？

多くの鳥のオスがさえずります。さえずりのはたらきのひとつはメスを引きつけることです。ですから、一般的には、つがいになるとさえずりが急に不活発になります。しかし、ウグイスのオスは早春から真夏まで繁殖期を通じて活発にさえずり続けます。
調べてみると、ウグイスのオスは一夫多妻になることがわかりました。一夫六妻のオスもいました。ウグイスではメスが頻繁に離婚・再婚を行なうためにオスが一夫多妻になれるのです。離婚の原因は捕食によって卵やヒナを失うことでした。やぶの中に作られる巣はヘビや哺乳動物に襲われることが多く、巣立ちにいたるのはわずか27％でした。捕食者が原因で再婚を求めるメスが生じ、オスは多くのメスを獲得するために、さえずり続けていたのです。

なぜ、ウグイスはホトトギスの托卵を防げないの？

ホトトギスはウグイスの巣に卵を産み込む托卵鳥です。ウグイスは自分の卵と同じ色で見分けがつかないのか、ホトトギスの卵を暖めてしまいます。托卵に何の対抗手段ももたないように見えます。 しかし、野外実験で托卵への対抗手段をもつことがわかりました。ホトトギスの剥製をウグイスの巣の前に置いてみると、メス親がやって来て激しく鳴いたり、つついたりしました。しかも、このような攻撃が激しい巣では托卵が起こりにくかったのです。ウグイスは托卵に来たホトトギスを追い払うことで、ある程度托卵を避けることができるのです。