クモの世界を探る
小野 展嗣
● 担当動物群と専門分野
担当しているのは、無翅昆虫類(トビムシ・シミなど)、クモ類(クモ・サソリ・ダニなど)および多足類(ムカデ・ヤスデなど)です。合計すると、名前がついているものだけで世界に5万種類以上が知られています。
とくに専門としているのはクモ類の分類学、生態学、進化生物学などの分野で、これまで経常研究費や文部科学省の科学研究費補助金(奨励・基盤・海外学術研究など)を受けて研究を行ってきました。
日本各地のほか、台湾、タイ、マレーシア、ベトナムなど東南アジアの国々で調査を行い、これまでに約250種の新種をみつけました。現在は、クモが古生代の昔から今日までどのような進化の道筋をたどってきたか、ということに一番興味があります。
とくに専門としているのはクモ類の分類学、生態学、進化生物学などの分野で、これまで経常研究費や文部科学省の科学研究費補助金(奨励・基盤・海外学術研究など)を受けて研究を行ってきました。
日本各地のほか、台湾、タイ、マレーシア、ベトナムなど東南アジアの国々で調査を行い、これまでに約250種の新種をみつけました。現在は、クモが古生代の昔から今日までどのような進化の道筋をたどってきたか、ということに一番興味があります。
● 昆虫少年がいつしか「虫」の虫に
小学生のころ、近所にはまだ、草ぼうぼうの薮がたくさんありました。そこでザリガニやカエル、ケラやトンボを捕って遊びました。愛読書は『昆虫の生態』(偕成社、1950年初版)と小学館の『昆虫の図鑑』(1956年初版)でした。
あるとき、クモがどうやって網を張るのか気になってしかたなくなり、クモの行動を1日中追跡しました。観察すればするほど、こんなに不思議な動物はないと感じました。
虫という言葉には「あることに熱中する人」という意味もあります。研究室でひとり顕微鏡をのぞいていると、遠い森の中でくりひろげられている小さな虫たちの壮大なドラマを想像して思わず手に汗を握ることがあります。どんな推理小説よりも面白い、想像を絶する非人間的な恐ろしい世界、そして、それを生んだ地球の歴史のひとコマひとコマが、私をどんどん「虫」の虫にさせてしまうのです。
あるとき、クモがどうやって網を張るのか気になってしかたなくなり、クモの行動を1日中追跡しました。観察すればするほど、こんなに不思議な動物はないと感じました。
虫という言葉には「あることに熱中する人」という意味もあります。研究室でひとり顕微鏡をのぞいていると、遠い森の中でくりひろげられている小さな虫たちの壮大なドラマを想像して思わず手に汗を握ることがあります。どんな推理小説よりも面白い、想像を絶する非人間的な恐ろしい世界、そして、それを生んだ地球の歴史のひとコマひとコマが、私をどんどん「虫」の虫にさせてしまうのです。