ライチョウ

ライチョウは本州中部の高山帯に生息するが、世界的にはシベリアなど北半球の寒帯と亜寒帯に分布し、日本の個体群は最も南にあるだけでなく、他地域から完全に隔離された存在である。氷河期に現在の本州まで分布を拡大したが、その後氷河が後退して高山に小集団が取り残された。冬も高山にとどまって生活する日本で唯一の鳥で、鼻孔は羽毛の下に隠れ、足には羽毛が密生して体温の放散を防ぐ。北アルプスや南アルプスといった山脈から少し離れた白山や八ヶ岳にも以前は生息していた記録があるが、現在では確認されていない。南アルプスでは個体数が少なく、1000羽を割っていると推測されている。

 

 

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