カブトガニ類は節足動物剣尾網綱としてまとめられ、系統的には甲殻綱よりもむしろクモ綱に近い仲間である。約2億年前の中生代ジュラ紀以来多くの化石種が知られているが、現生種は4種だけで、基本的な形態はあまり変わっていない。
日本では、瀬戸内海から九州北部にかけて分布しているが、どこの海域でも個体数の減少は著しい。それは干潟が汚染され、埋め立てられているためである。
昭和3年、岡山県笠岡湾の北に位置する生江浜がカブトガニの繁殖地として天然記念物に指定されたが、笠岡湾の大部分が干拓されたために、昭和46年に神島水道が新たな繁殖地として追加指定された。
笠岡市では、国の援助を受けて、1974年にカブトガニ保護センタ−を設立した。翌年に発足した笠岡市カブトガニを守る会が母体となって1978年には日本カブトガニを守る会が結成された。笠岡市のカブトガニ保護センタ−は、1990年、カブトガニをイメ−ジした斬新なデザインのカブトガニ博物館に生まれ変わり、繁殖地の保全と増殖の研究がおこなわれている。
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