富士火山の最後の活動は1707年12月16日午前10時頃から1708年1月1日未明まで約16日間続いた宝永噴火です。火口から東方の地域では噴火に伴い大量の火山砂礫・火山灰が降り積もり、その厚さは麓で3m以上、遠く離れた江戸でも4cmにもなりました。この噴火を最後として富士山は長い眠りに入っていますが、最近、富士山噴火が注目をあび始めています。この理由は2000-2001年に地下のマグマや火山ガスの動きと関連していると思われる「低周波地震」が多発し、富士山が活火山であることが社会に再認識されたからです。このため「富士山ハザードマップ作成協議会」が発足され、2004−2005年に富士山周辺の市町村の全住宅に「火山防災マップ」が配布されました。
本展は宝永噴火から300年経過した本年に、これまで明らかとなった富士山の地質および防災に関する研究を広く一般の方々に普及することを目的とします。また日本の象徴でもある富士山を、歴史や文化的側面から語り、生活の中にある富士山の様々な面を紹介します。