トロートン天体望遠鏡(重要文化財)
トロートン・アンド・シムス社製 口径20cm 屈折赤道儀 約1500kg
明治13年、幕府から暦の作成を引き継いでいた明治政府によって、当時の内務省地理局に新たな観測用望遠鏡がイギリスから輸入・導入されました。それがこのトロートン社製口径20センチの屈折赤道儀です。選定などの経緯については判っていませんが、後に内務卿となる大久保利通がヨーロッパ視察の途上発注したものとの説もあります。
その後天体観測及び暦の編纂が文部省の所管に移ったことに伴い、この赤道儀も麻布に設置された東京天文台(後の国立天文台)に移動されました。天文台が三鷹に移転された際にも同行しましたが、昭和の初期に新しい大型望遠鏡が設置されてその役目を終えました。