ETL Mark Ⅳ A トランジスタ計算機

1959年、電気試験所(現:産業技術総合研究所)製
縦横高[mm]:1500×700×1600
方式:10進法8桁、同期式(200 kHz)、1語の長さ40ビット
演算速度:加減算2.4 mS、乗除算5.2 mS
記憶装置:磁気ドラム1000語、磁心1000語
トランジスタを使用した国産の一号機は電気試験所(現産業技術総合研究所)の高橋茂や西野博二らがFUJICにわずか遅れて同年に完成したETL Mark Ⅲです。 その経験からトランジスタを接合型に変え、主記憶装置として磁気ドラム記憶装置を採用するなどして1957(昭和32)年に製作されたETL Mark IVは大成功を収め、国産電子計算機への道を開きました。Mark Ⅳ Aはこれにさらに、コアメモリ(磁心記憶装置)を増設、語長を10進6桁から8桁に改良するなどして改造を加え、1959(昭和34)年に完成した装置で、Mark IVより数十倍高速になったようです。
日本におけるコンピュータ開発の黎明期に先導的な研究・開発を行っていた電気試験所のETLと称される計算機群(ETL Mark Ⅰ~Mark Ⅵ)の中で、本体が現存しているのはMark ⅡとMark Ⅳ Aのみです。
(提供:電子技術総合研究所)