ETL Mark Ⅵ用織成形ワイヤメモリ

1965年頃、東光(株)製
MX-W32D50-20D
記憶容量:64語(1語50ビット)
サイクル時間:0.5 μS
用途:プログラムバッファ
磁性薄膜を利用した高速記憶デバイスです。ETL Mark Ⅵの開発に当たっては、トランジスタによる高速基本回路に見合う高速で動作するメモリが必要でした。主記憶の磁心記憶装置はサイクル時間が2 μSと低速であったので、小容量の高速記憶装置を組み合わせることが考案されました。一つはトンネルダイオードを使ったサイクル時間250 nSのメモリです。もう一つが磁性薄膜を利用したサイクル時間500 nSのワイヤメモリデーでした。
ワイヤメモリは表面に磁性体を電気メッキした銅線と、これと直行する銅線で構成されています。両線の交点で1ビットを構成するもので、メッキされた銅線を情報線として、直行する銅線を語駆動線として利用できました。これを織物状にしたものが記憶装置として組み込まれました。(提供:産業技術総合研究所)