真空管式電子計算機 FUJIC
わが国初の国産電子計算機です。レンズの設計計算のために、富士写真フイルム株式会社の岡崎文次が 7年の歳月をかけ、1956(昭和31)年に完成させました。真空管を1700本使用しています。
レンズの設計には何千回もの計算が必要です。当時は、多くの女性が対数表を片手に二人一組で、手回し計算機を使って行っていました。FUJICは平均して人手の2000倍の速さで計算ができました。
約2年間、レンズの設計計算に使用された後、早稲田大学を経由して科博に寄託されました。正面左手が算術装置、右手が制御装置です。入力はパンチカード、論理回路のクロックは30kHz、消費電力は7kWで、加算は0.1m秒、除算は2.1m秒です。