小惑星探査機「はやぶさ」再突入カプセル
2003年5月9日、文部科学省宇宙科学研究所(2003年10月に宇宙航空研究開発機構(JAXA)に統合)の小惑星探査機「はやぶさ」はM-V型ロケット5号機で打ち上げられ、2005年9月12日に小惑星イトカワにランデブーし、11月に2度のタッチダウンを行いました。サンプラーの弾丸が発射されず、また交信が途絶するなどの困難を乗り越え、2010年6月13日に小惑星イトカワのサンプルを地球に持ち帰り、世界で初めて月以外の天体からのサンプルリターンに成功しました。再突入カプセルは前面ヒートシールド、背面ヒートシールド、インスツルメントモジュール、搭載電子機器部、パラシュートの5つのパーツに分かれています。ヒートシールドの表面は金色のサーマルブランケット(黄色いポリイミドフィルムにアルミニウム等の金属を蒸着したもので、太陽光による熱を防ぐためのもの)で覆われていましたが、大気圏突入で高熱になりほとんどなくなっています。イトカワのサンプルが入ったサンプルコンテナはインスツルメントモジュールの中央部に入っていました。回収されたイトカワのサンプルは0.1mm以下の微粒子でしたが、分析の結果、LL4-6タイプの普通球粒隕石(コンドライト)と同じものであることが分かりました。(寄贈:宇宙航空研究開発機構)