ラムダロケット用ランチャー
1970(昭和45)年2月11日、鹿児島県肝付郡内之浦町の東京大学宇宙空間観測所から、人工衛星を搭載したラムダ4S型ロケットが打ち上げられました。1966(昭和41)年の1号機から4度の失敗を乗り越えて、5度目の打ち上げは成功し、無事人工衛星を軌道に乗せたのです。人工衛星は打ち上げ場所となった大隅半島から「おおすみ」と名付けられ、日本はソ連(当時)、米国、仏国につぎ、世界で4番目に人工衛星を誕生させた国となったのです。
1955(昭和30)年4月のペンシル・ロケット発射実験から、わずか15年目のことでした。その後、実用人工衛星やロケットの開発、打ち上げは、宇宙開発事業団(NASDA)が主体となり、現在世界有数の打ち上げ能力を持つ、国産H-IIAロケットの開発が進められ、その技術力や信頼性は国際的にも期待されています。
国立科学博物館に展示されているロケット・ランチャーと人工衛星「おおすみ」の実験模型は、共にその栄えある最初の人工衛星の打ち上げに使用されたもので、我が国宇宙開発史上、記念碑的なものです。