地球のすぐ外側を公転している火星は、その赤い輝きからローマ神話の軍神マースの名でよばれます。また、私たちが火星とよぶのも、中国古代の哲学である五行説(世界は木・火・土・金・水の5つの要素でできているという考え方)から赤い火の要素の惑星とされるからです。さてそれでは、火星はなぜ赤いのでしょうか。火星の表面には明るい赤かっ色の地域と色彩のはっきりしない暗い地域がありますが、表面の7割以上は赤かっ色の地域でしめられています。つまり、火星の表面は赤い土でおおわれているのです。これが、火星が赤く輝く理由なのです。1976年のバイキング探査機は火星の砂や土をくわしく分析し、赤かっ色は酸化第二鉄などの鉄の酸化物、すなわち鉄サビの色であることをつきとめました。火星は鉄サビでおおわれていたのです。
火星には地球の百分の1以下の薄い大気がありますが、その95%は二酸化炭素でできています。表面気温は、夏は平均−60℃、冬は−120℃です。また強い風により、ときどき砂あらしが起こりますが、この時まき上げられた細かい砂のため、火星の空はピンク色になっています。この砂あらしにより、薄暗い模様の濃淡も変化することがあるのです。
火星
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バイキングが撮影した火星表面
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