プランクトンから微化石へ
プランクトンにおいても、大形の動物プランクトンの大部分は化石として残ることがほとんどありません。微化石として多産するのは鉱物(無機)質の殻(外骨格)または内骨格をもつ原生動物の仲間です。
原生動物の仲間にはこのようなバイオミネラリゼーション(生体鉱物化作用)によって、体内に珪酸質や炭酸カルシウムを蓄積させる生物が多くいます。たとえば、珪酸質の殻をもつ珪藻、珪酸質の内骨格をもつ放散虫、炭酸カルシウムの殻をもつ有孔虫、炭酸カルシウムの鱗片をもつハプト藻類などです。
ベントスの仲間にも微化石として有名なものがあります。主として熱帯~亜熱帯の海藻の表面などに付着して生活している、底生有孔虫の仲間です。厚い炭酸カルシウムでできた殻は死んでもなかなか溶けず、星砂として、海岸に堆積することすらあります。また、珪藻はベントスである付着性珪藻としても生活していて、死後に河川や波などによって運搬され、湖底や海底にプランクトンに混ざって堆積します。
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