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さ か な の 床 屋 さ ん
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ホンソメワケベラ Labroides dimidiatus (Valenciennes, 1839)
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ホンソメワケベラはインド洋と西部太平洋のサンゴ礁にすんでいる小さなベラです。全長は最大でも12cmくらいです。体は白く、濃紺の帯が口から尾鰭に向かって縦に走っています。ホンソメワケベラは他の魚の「掃除をする」ことで有名です。ホンソメワケベラはサンゴ礁の決まった場所にすんでいて、そこにハタやブダイ、ネンブツダイなどがやってきます。彼らは体についた寄生虫をホンソメワケベラに取ってもらいます。床屋の順番を待つ客のように列を作っていることもあります。大きなハタが口を開けるとホンソメワケベラは口の中に入り、鰓や口内についた寄生虫や体表の粘液を食べます。 ホンソメワケベラは1個体の雄と複数の雌から構成されるグループで生活します。このグループはハレムと呼ばれています。雌の数はハレムによって異なりますが、最大で10個体くらいです。ハレムの個体の行動範囲は狭くて、10-20分ほどで泳ぎ回れる範囲に限られています。雄はハレムを見回り、他の雄が進入しようとすると追い払います。雄は尾を振るような独特の泳ぎ方をするので、雌から簡単に区別できます。ハレムの雄が他の魚に襲われていなくなると、雌の中で最大の個体が性転換して雄になります。最大の雌は約1時間で、雄のように「尾を振って」泳ぐようになります。つまり、行動上はたった1時間で雌が雄になるわけです。では、生殖巣はどれくらいの時間で変化するのでしょうか。雌の卵巣は約2週間で精巣になり、輸精管の中に精子が見られるようになります。つまり、2週間経つと、雌は完全な雄になるわけです。 |
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