新種を探して13年
執筆:松浦啓一
さらに追加標本をさがしていると、東海大学の知り合いの研究者が「マーシャル諸島のビキニ環礁で採集された状態のよい標本がある」と教えてくれました。
マーシャル諸島のビキニ環礁で採集されたアラレフグ 撮影:岸本浩和
そして、不思議なことに一度はずみがつくと更に情報が増えて、銚子沖で採集された標本も手に入りました。
また、この新種のフグの水中写真が外国の研究者から送られてきました。インド洋のレユニオン島やモルジブ諸島、そしてインドネシアのサンゴ礁にも生息していたのです。
モルジブで撮影されたアラレフグ 撮影:H.Debelius
標本や水中写真がそろったので、ようやく学会誌に正式に発表して名前をつけることができました。この新種の名前はArothron caeruleopunctatus(アラレフグ)といいます。論文を出版したのは1994年のことでした。最初に新種の写真を見てから13年が経過していました。
|