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危険な魚たち 執筆:国立科学博物館動物第二研究室 |
磯の刺毒魚(しどくぎょ)、ゴンズイ・ハオコゼ 日本には3000種をこえる魚がいますが、私達になじみの深い魚のうちで刺毒性の魚はほんのわずかです。ゴンズイやハオコゼは本州中部以南に生息する暖海性の魚で、潮だまりや磯の周囲でよく見かける魚です。ゴンズイの胸びれや背びれ、ハオコゼの背びれの棘(きょく)は鋭く毒があるので、刺されると激しい痛みにおそわれ、傷口が赤くはれ発熱することもあります。場合によっては医師の手当を必要とします。 ゴンズイはナマズのなかまで全長15-25cm、口のまわりに8本のひげがあり、尾びれの先はとがっています。からだは黒褐色の地に2本の黄色の帯が頭から尾にがけてはしっているので簡単に区別できます。ハオコゼはカサゴのなかまで全長5-10cmの小型種です。からだは暗赤褐色で背びれに14-15本の鋭い棘があります。 オニオコゼとミノカサゴ 磯のすぐ外側の海の中には、カサゴのなかまのオニオコゼやミノカサゴがすんでいます。ともに暖海性の刺毒魚として有名です。彼らは、海底や岩陰にじっとしていますが、ゆったり泳いでいることが多く、こちらから手を出さない限りおそってくることはありません。これらの魚の毒はゴンズイより強いので、足で踏みつけたり素手で捕まえたりることはやめましょう。また、死んでいても毒は残っていますから、注意してください。 もし刺されたら 傷口をきれいに洗い、抗ヒスタミン剤と副腎皮質ホルモン剤をぬります。氷水で傷口を冷やすのもひとつの方法です。一般に動物の刺毒による症状は人によってがなりの差があります。症状の重いときには、医師の手当てを受けることが必要です。 |