天然記念物の魚たち


Database for Aquatic-vertebrate Science

ヒブナ生息地

ヒブナは緋鮒の意で、突然変異で黒い色素を欠き赤変したギンブナです。ふ化時は普通のフナと同様に銅黒色ですが、約1年を経過してから赤くなりはじめます。体長は25cmに達するものもいます。ギンブナは底生動物や藻類などを食べる雑食性です。雄の数が極めて少なく、多くの場所で処女生殖をしています。ウグイなどの精子で刺激された卵は発生を開始します。

北海道釧路市にある春採湖は周囲4.6km、最深部6mの海跡湖です。一時期は生活排水の流入で湖の環境悪化が心配されました。現在は下水道の整備などの取り組みで環境の保護がなされ、個体数の減少がみられなくなりました。


ヒブナ
写真提供:針生 勤


春採湖ヒブナ生息地
写真提供:釧路市立博物館