日本の淡水魚のルーツは中国大陸や朝鮮半島にあると考えられています。日本列島が大陸と陸続きになっていた頃、それらの祖先の種が今の日本に渡ってきたのです。その後大陸から日本列島が切り離され、遺伝子の交流がなくなって別種にまで進化したものも少なくありません。また、淡水魚と海水魚の区別を問わず、珍しい生態をもつため保護されている魚たちもいます。その反対に、近年外国から移入された肉食性の魚の影響や、水質汚濁や生息域付近の工事のため生息が危ぶまれている種も増えています。
種として天然記念物に指定されている魚は、すべて日本固有の淡水魚です。選定については当館の故中村守純博士(1914-1998)が大きな役割を果たしました。 魚類の生息場所が天然記念物に指定されている場合もあります。たとえば、信仰と関係している場所や学術的に興味深い生息場所などです。
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