土壌の中の生きものたち
土の中は光も音も届かない暗黒の世界といわれていますが、様々な生き物たちが住む活動あふれる世界です。地球生態系の緑を支えるこれら地下の住人たちの様々な生き様に焦点を当てました。
小さな生き物たちの住む土壌環境は、生き物たちとともに土壌を作る植物(樹木が多い)、それをとりまく気候条件などで様々に変化します。土壌が変われば生き物たちが変わり、生き物たちが変化すると土壌も影響を受けます。生き物たちは互いに関係し合いながら自分たちの住み良い世界を作っています。
この機会に写真を通じて、自分たちの足元をもっと見つめてみませんか。
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パネル写真撮影 皆越ようせい |
一歩の足の下に1000〜2000匹の生命が!
土の中の動物といえば、ミミズ、アリ、モグラがよく知られている。かれらは自分でトンネルを掘って生活するが、その他の大部分の小さな虫たちは落ち葉のすきま、腐りかけた枯れ枝の中、狭い土の割れ目などを利用して暮らしている。その代表がトビムシとダニで、森の中を人間が一歩踏み出すごとに1000〜2000匹も踏みつけていることになる。
地面の下にも弱肉強食の世界が! 地上と同様、地面の下にも弱肉強食の世界がある。土のプランクトンといわれるトビムシはダニに食われ、ダニはカニムシのえじきになり、カニムシはムカデに襲われる。そのムカデもアリの共同作戦には負けてしまう。これも土の中の生物群集のバランスを保つために必要なことなのである。
卵を脱ぐミミズ えさをとるミミズ ミミズの頭の方に近いところに俗に「ミミズの鉢巻き」と呼ばれる部分がある。正式には環帯といわれ、ここに白っぽい膜ができ、その内側に1〜20個の卵が生み出される。やがてミミズが後退しながら膜を脱ぎ捨てると、両端がすぼまって卵の入ったレモン形の卵包ができる。ミミズが好きな食べ物は枯れ草、落ち葉、動物のふんなどで、これを口でくわえて穴に引きずり込んで食べる。
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