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ミイラを作る
 死後の永遠の生命を願って行われたミイラ作りは、冥界の支配者であるオシリス神や、ミイラ作りの神であるアヌビス神など、多くの神々と関係しています。ここではそれらの神々を表す像や、ミイラ作りに使用された道具、死者を守るために包帯に巻き込まれたさまざまな護符などを紹介します。

プタハ・ソカル・オリシス神像

メンフィスの創造神プタハ、メンフィスの墓地の神ソカル、冥界の支配者オリシスの3神がひとつに組み合わされた神。末期王朝からプトレマイオス朝時代にかけてこのような像が多く作られ、死者の再生を願って墓に納められた。


有翼スカラベ

スカラベとはタマオシコガネのこと。 動物の糞を丸めて巣に運ぶ習性があるため、天空を通って太陽を運ぶ太陽神と同一視され、再生や復活の象徴とされた。ミイラに置く護符の中ではもっとも重要で、スカラベと翼にある穴は、木製の台座にあるいはミイラの胸部の包帯に縫いつけるためのものと考えられる。



ウジャト形護符

古代エジプト人は災いから身を守るため様々な護符を身につけていた。特にハヤブサの神ホルスの眼を意味するウジャドは好まれたお守りのひとつ。ホルス神は戦いで片目を失ったが再び得たため、治療や完全の象徴とされた。


アンク

スーダンのゲベル・バルカルのタハルカ神殿から出土したといわれる。4つのヒエログリフのシンボルを組み合わせたデザインをしている。アンク(生命)、ジェド柱(安定)、ウアス杖(支配)、そしてジェド柱の上にひざまづいて両手を広げている人物が、百万を表すヘフ神をかたどっている。生命と安定、支配が永遠に続くことを願ったものである。


ゲムエンエフホルバクのカノポス容器

ミイラ作りの過程で、肝臓、肺、胃、腸は摘出され、それぞれ4個の容器に入れられて墓に納められた。新王国時代以降は、ホルス神の4人の息子たちの頭をかたどった蓋が作られ、人頭のイムセティは肝臓を、ヒヒ頭のハピは肺を、ジャッカル頭のドゥアムウトエフは胃を、そしてハヤブサ頭のケベフセヌウエフは腸を守護した。
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